遊びまくる!

30代無職のカオスな日記

野良猫がぼくに一番伝えたかったこと

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家を出ると一匹の猫がいた。その猫はすぐに走り去っていった。猫には追いかけると逃げるという習性がある。

ぼくは散歩を日課にしている。仕事を辞めて一か月、家に引きこもってばかりじゃ気が滅入ってしまうのと、運動不足解消を兼ねて、家の半径1時間圏内を毎日ひたすらに歩くことにしている。

散歩をする

散歩は良い。何も考えずに目的も決めずに歩きまくる。日差しが暑く汗をかくときは、途中でスーパーに立ち寄ったり、ブックオフで立ち読みをしたり、コンビニで何を買うでもなく涼んでいたりする。人が居るところにいると孤独感を感じなくてすむ。家で一人でいると、急に寂しくなったりするから、ブラブラしている方が気が楽な面もある。

野良猫に遭遇する

そうして毎日歩いていると、ばったり野良猫に出くわすことがある。猫もいろいろで、個々に性格が違う。といっても、猫と会話をしたわけではないので、本質はわからん。

 

猫の中でもぼくが好きな猫はやっぱり愛嬌の良い、触っても大丈夫な、頼んでもいないのに向こうからすり寄ってくる猫である。そういう猫をぼくは猫娘と呼んでいる。オスかメスか知らないが、たぶん男にすり寄ってくるくらいだからメスに違いないと、勝手に決めつけている。猫娘はエサをねだってぼくの足に纏わりついてくる。ニャーを忘れず、舌足らずな甘えた鳴き声でエサをねだるその仕草に、ぼくは微かな恋心すら感じる。

猫の気まぐれ

ぼくにすり寄ってくるものなど、他には蚊か蝿くらいなものだ。蚊や蝿はブーンと飛び回るか、手をこすり合わせるくらいしかやることはないが、猫はその体をすり寄せながら、ニャーと言って、ぼくの目を見つめてくる。何べんもしつこくスリスリしてくる。ぼくはそういうときに大体エサになるようなものは何も持っていないので、エサを与えてやることはできない。だからとにかく触りまくることにしている。触って触って触りまくる。数秒間触りまくっていると、エサをくれないのが分かると見えて、スリスリをやめてどっかに行ってしまう。ぼくはそんな猫を見て、気まぐれだなーと思うのだ。

猫語がわからない

ぼくが2日前に出会った猫は、深夜0時ごろだった。優雅にぼくの前を横切ったかと思いきや、立ち止まり、ぼくの方を振り返った。そのとき、ぼくと猫の目が重なり合った。猫は尻尾をピンッと上に上げて、肛門をこれでもこれでもかと、ぼくに見せつけてきた。ぼくも負けじと、猫の目と肛門を交互に何度も見た。視線を往復させた。そのとき猫が一瞬ぼくに何かを語りかけて来た。ような気がした。それはニャーではなく、ニャでもなく、ニャオでもなかった。ぼくは早速、以心伝心にかかった。猫のテレパシーを感じようとした。猫語を翻訳しようとした。だが、そのすべてが無意味な努力と化し、ぼくの三半規管を狂わした。

猫がぼくに伝えたかったこと

猫とぼくは二人見つめ合ったまま、数秒間(ぼくには数分間に感じた)立ち尽くし、最後の最後まで猫はニャーとも言わずに、顔の向きを変えて、情趣ある立ち振る舞いで、ぼくの前から姿を消した。あっ、待って。と、ぼくはつい言葉を掛けた。待って…。

 

ぼくは家に帰り、猫はぼくに何を伝えたかったのかと人知れず考えた。次の日、ぼくは試行錯誤の末、あるひとつの結論に行き着いた。それは猫の肛門である。肛門を思い出せ、と、猫はあの時、そう言いたかったのではないか。そしてぼくは、肛門、肛門と呪文のように繰り返した。答えに行き着いたのは、それから半日経ってからだった。答えは出た、それは、肛門は臭い。だった。昔、一番長く付き合った彼女の肛門のことを考えながら、独り、ノスタルジーな感慨に耽るのであった。それから今日に至るまで、ぼくは肛門についての造詣を深めることになるわけだが、未だに何ら答えは出ていないのである。